SE315について語る – オーディオ&ビジュアル評論家本田雅一氏

SE315 ほど、”高コスト・パフォーマンス”という言葉が似合うステレオ・イヤホンは他にない。時にこの言葉は”最高ではない”事の裏返しと捉えられる事もあるが、SE315に限ってその心配は無用だ。

Shureが得意とするバランスド・アーマチュア(BA)型ドライバを使うイヤホンは、演奏者の感情を顕すニュアンスや空気感を再現する精細な表現力、解像力に優れている一方で再生帯域が狭く、特に低域のボリューム感を引き出す事が不得手だ。

故にデュア、あるいはトリプルドライバでなければウェル・バランスなイヤフォンは求められないと考えていたが、SE315はシングルドライバでありながら、張りのある低域を再生してみせる。

もちろん、歪感の少なさ、繊細な音楽表現力はそのまま。新開発のドライバユニットを用いた上で、さらに内部構造を工夫して低域を増強するポートをイヤホン本体内部に設けている。

遮音性や機能性を犠牲にせず、シングルドライバの弱点をうまくカバーしているのはさすがだ。シングルドライバのBAイヤホンを主力とするライバルは、例外なく緊張した局面を迎えた。この製品は従来の常識を覆し、新たな基準点を設定した。

本田雅一(ほんだまさかず)

オーディオ&ビジュアル評論家。
ソフトウェア開発に従事した後、PC関連の記事を執筆。現在はPCは もちろん、デジタル家電、オーディオ・映像機器、IT関連など、テク ノロジ全般にわたって執筆。Webニュースのほか、PC専門誌、AV専 門誌、経済誌などを中心に寄稿。2010年9月、「3D世界規格を作れ!」(小学館)が刊行

シュア・ ジャパン株式会社

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