SE425について語る – オーディオ評論家麻倉怜士氏

このヘッドホンの音を形容するなら、ハイエナジーだ。音楽の塊が勢いよく、鼓膜を直接振動させる快感が味わえる。音楽の情報をモニター的に細大漏らさず聴かせるヘッドホンである。音の特徴を三つ挙げよう。

第1に音の造型力だ。輪郭がしっかりと描かれ、明晰で、くっきりとしている。再生される情報量が多く、音の安定感も高い。ディテールに渡り彫刻された細密な音模様は実に魅力的だ。第2はワイドレンジだ。豊かな低域にシャープで明解、そして押し出しの良い中高域が乗る。聴感上の再生帯域の広さが解像感の高さにつながる。3番目は音のスピード感だ。音楽信号に対する立ち上がり/立ち下がりが俊敏であり、進行させる時間的エネルギー感が豊富だ。

私のリファレンス音源であるモーツアルトのジュピター交響曲(ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団)では、 切れ込みが鋭く明確なモーツアルトを聴かせる。各声部の描写が明確でクリヤー。確実な粒子感で、音と音のつながり、絡み合いの様子も、巧み。構造的で、機能 的な縦線の響きが特徴な第四楽章の大フーガを愉しむに適したヘッドホンといえよう。

麻倉怜士(あさくられいじ)

オーディオ評論家。
日本経済新聞社を経て、プレジデント社入社。雑誌『プレジデント』副編集長、 雑誌『ノートブックパソコン研究』編集長を経て、1991年に、オーディオ評論家と して独立。音楽、映像、映画音響、デジタルAV機器、ネットワークメディア、 パッケージメディアの動向に非常に詳しく、多数のコラム、書籍を執筆。

シュア・ ジャパン株式会社

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