Alice Cooper(アリス・クーパー)

アリス・クーパーがいなかったら、NY Dollsも、KISSも、Marilyn Mansonも、Nine Inch Nailsも、Motley Crueも、Slipknotも、Rob Zombieもいなかっただろう。David Bowieでさえいなかったかもしれない。少なくとも「Ziggy Stardust」は作られなかったはずだ。ロックコンサートに演劇的な要素を持ち込んだハードロックの象徴的存在が「Along Came a Spider 」(SPV Records)で、最も得意とする音楽に回帰した。Frank ZappaのStraightレーベルから1969年にリリースした「Pretties for You」から始まった、長く華麗なキャリアの中で25枚目にあたるスタジオアルバムだ。

彼の最初のソロアルバムである1975年の「悪夢へようこそ – Welcome to My Nightmare」から1994年の「The Last Temptation」や2000年の「Brutal Planet」まで、コンセプトアルバムはアリスが最も得意とするところであったが、今回の作品では、ある連続殺人鬼の物語を紡いでいる。この男は自分のことを最も捕食的な昆虫であると考え、獲物を罠にかけ殺す。8人の犠牲者を絹でくるみ、それぞれから足を1本ずつ切り離す。陰謀の蜘蛛の巣に激しいロックが絡まる。

本作品はアリスとDanny Saber (Black Grape, Rolling Stones, Ozzy Osbourne, David Bowie) とGreg Hampton (Bootsy Collins, Buckethead)からなるチームによる共同プロデュースであり、オープニングの「I Know Where You Live」やスラッシュ(Slash)のうねるようメタルギターソロをフィーチャーした「Vengeance Is Mine」はアリスのクラシックアンセムである「Is it My Body」、「Under My Wheels」、さらには歴史的名盤の「Love It To Death」、「Killer」、「School's Out」を彷彿とさせる。また、「Killed by Love」は「Only Women Bleed」や「I Never Cry」で見せたアリスの専売特許とも言えるバラードだ。

「Along Came a Spider」のレコーディングにはツアーバンドのドラマーであるEric Singer、ベーシストのChuck Garric、ギタリストのKeri KelliとJason Hookが参加している。ソングライター陣にはアリスの他、Saber, Hampton、Garric、Kelliに加えて数名の知人、かつてのバンドメンバーであるDamon JohnsonやウォレントのJani Laneが名を連ねている。

「Along Came a Spider」にはハンニバル・レクター、サムの息子、テッド・バンディ、切り裂きジャック、スウィーニー・トッド、映画「サイコ」のノーマン・ベイツのような連続殺人鬼の要素があり、アリス自身が主役を演じ、殺人鬼の日記を再現している。自分のことを蜘蛛だと想像している連続殺人鬼のアイデンティティをまとったアリス・クーパーが現実と直面する。過去の作品でも取り上げたように、アリスは古典的な善と悪の戦いを描き、避けられない結果で幕を閉じる。

「悪は罰せられるべきだ。」とアリスは言う。「悪は必ず負ける。俺はそれにこそ満足するんだ。スターウォーズのダースベイダーは好きだよ。でも、ヤツが最後にああなるのを見て俺はほっとするんだ。」

アルバムの終わりで野獣は美女の前に屈する。「The One That Got Away」と「Killed by Love」で殺人鬼は狙った獲物のひとりに恋をする。そして、トワイライトゾーン的なひねりをきかせたエンディングを迎える。

「今まで作ったアルバムはどれもギターが中心のロックンロールだった。」とアリスは「Along Came a Spider」のエッジの効いたヘビーメタルサウンドについて語る。「Danny SaberもGreg Hamptonもギタープレイヤーだ。二人とも俺の有名な曲は全部知っていて、録音を始める前から好きな曲を参照していた。だから、これは特別なアルバムになるだろうって思ったね。俺のファンは気に入ると思うよ。」

「Vengeance is Mine」でスラッシュがそれとすぐにわかるギターソロを弾いたのは、今年、ロサンゼルスのNARASイベントでアリスとスラッシュの控え室が一緒だったことがきっかけだった。二人は結成当時のGuns N Rosesがアリスのオープニングアクトを務めていた1986年と1987年からの旧友だ。以来、何度かお互いのアルバムで競演しており、新しいアルバムの話題となった。

「俺はヤツに言ったんだ。好きなように弾いてくれって。」とアリスは言う。「そしたら、ヤツはスタジオに入ってきて、吹っ飛ぶようなプレイをしたね。ヤツならやってくれるって確信があった。ヤツにはヤツの演奏をして欲しかった。そして、そうなった。ギターヒーローみたいだったぜ。」

ギターヒーローと言えば、同名のテレビゲームが新世代のファンに彼の音楽を紹介していることをアリスは認めている。「俺の前に現れる19歳はみんな言うんだ。自分は「School's Out」がプレイできる。「No More Mr. Nice Guy」がプレイできるってね。」

アリス・クーパーは毎年6カ月に及ぶツアーをこなし、彼だけのシアトリカルなロックショーを新旧のファンに届けている。そして、観客と同じくらい自身も楽しんでいる。

ショックロック(shock-rock)の創始者として知られるアリスは(元のアリス・クーパーバンドとしても、ソロアーティストとしても)世間を騒がせ、現状維持をよしとする権威を揺るがせてきた。CNNが現実のショッキングな映像を放映するような時代でも、アリスはファンを驚かせ、常に危険を滲ませている。すぐれたホラー映画のように。

「Catch Me If You Can」や「I'm Hungry」のようなストーンズ風の肩を切って歩きたくなる曲で、アリスは彼のルーツがひねくれたガレージバンドのロックンロールにあることを示す。「アリス・クーパーとしてレコードを作る前は、アニマルズや、ヤードバーズや、ザ・フーやストーンズから学んだ曲をバーで演奏していたよ。」と彼は回想する。「俺の曲作りにはいつも彼らからの影響があった。」

もちろん、昔、Johnny Rottenがセックス・ピストルズのオーディションを受けたときに「I'm Eighteen」を歌ったというストーリーを話したり、彼が開いた扉を通ってきたバンドの数を挙げて、たくさんのアーティストに与えた影響についてアリスに訊いてみれば、彼はこう答えるだろう。「全部、俺のせいにするなよ!」

「Along Came a Spider」がリリースされ、今年、アリスはツアーに戻る。彼は今後もツアーやアルバム制作を続けていく意向だ。さらに、Cooper’s town (フェニックスを拠点とするレストラン/スポーツバー)、著作「Alice Cooper: Golf Monster」、国内外の100を超える局で放送中の深夜のラジオ番組「Nights With Alice Cooper」などのためにも時間を作るという。

「邪魔するものがないなら、やってもいいだろ?」と彼は肩をすくめた。「好きでやっていることさ。音楽的にも視覚的にも俺たちよりよいショーをできるヤツはいない。長老であることは、それも健康な長老であることはいいことさ。オジーとか、イギーとか、スティーブン・タイラーとかは同じ生き残りの仲間だって意識があるんだ。俺たちは肉食動物だぜ。恐竜じゃないぜ。俺たちは目の前に現れるバンドをみんな喰っちまう。」

ロックンロールにおける彼の影響力は長い間認められており、アリス・クーパーがその非凡なキャリアで達成していないことはない。プラチナアルバム、ソールドアウトしたツアー、数多くの名誉と功労賞。

数え切れない名場面でいっぱいの驚くべきキャリアにおける25枚目のアルバム「Along Came a Spider」が増やすであろう名誉のために、アリスは暖炉の上のスペースを増やさなければならないだろう。

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What Alice Cooper uses

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Condenser Cardioid
幅広い周波数特性、低いノイズ特性、RFノイズに対する高い耐性を備えることにより、特にギター、ピアノ、シンバルといったアコースティック楽器のパフォーマンス・シーンにおける、業界スタンダードとしての地位を確立しています。