WHY WE CHOOSE SHURE - Shureを選ぶ理由 -

P.Aエンジニア 広津千晶氏インタビュー

「欲しい音がちゃんと出せるマイクなんです」

一番初めにマイクを手にとったときはどんな時でしたか?またShureマイクとの出会いは?

高校時代は音楽を聴くのと、バンドを少しやっていたりで、マイクや音響機材には特に興味が無かったんですが、卒業後、音楽関係の仕事に就きたいと思い関西の音響専門学校のP.A/レコーディング科に通い始めたんです。その時学校にあったマイクが、ShureのSM57やSM58、ゼンハイザーのMD 421で、マイクとして始めて認識して手にしたのはこれが最初です。その後、ライブハウスや音響会社でP.Aの仕事をはじめたのですが、Shureはベーシックマイクとしてどこにでも置いてあり、専門学校でのShureとの出会いが活かされました。

Shureマイクの良さに気付いたのは、以前管理していた京都のライブハウスでの経験からですね。そこでは「今日のライブは全部SM58でとってみよう!」など、色々なマイクテストを実践でやることができて、その時にShureって「何でもこなすマイクなんだ」とか「何でも録れる」って感じたんです。なので、この時期の経験がShureマイクの魅力に惹かれた真の出会いだったと言えます。

Shureのラインナップでよく使うタイプや、使い方、お好きなShure製品について教えてください。

コンデンサー系は、ボーカル用にハンドヘルドタイプのKSM9をよく使っています。このマイクは、他のハンドヘルドのコンデンサーマイクと比べて癖が少なく感じたんです。ナチュラルなサウンドでミッドレンジに暖かみがあり、バンドの中でもしっかりと存在感が出てくるサウンドですね。ダイナミックマイクにはない高域の伸びときめの細かさがあり、低域もしっかりしていて、ハンドリングノイズも気なりません。現場では女性ボーカルに使う事が多いんですが、マイクのカラーリングでジャンパン色が選べたり、持った感じや重さがちょうど良くて、ボーカリストに薦めやすいんです。それと最近発売された同じ形のKSM9HSも使い始めてますね。

ダイナミック系では、ボーカルやギターアンプにBEAT 57Aをよく使ってます。このBEAT 57Aを使う理由は、音がより近く、しっかりピックアップしたい場合に選んでます。ボーカリストやバンドのキャラクターに合わせてオフ気味の音が欲しい場合は、BEAT 57Aに付いてる平なウインドスクリーンを、58の球型のモノに取り変えて使ったりもします。

あとSM57とSM58は、主にパーカッションやベースアンプ、ギターアンプなどの楽器用に使います。SM57とSM58の使い分け方は、空気感や距離感でアレンジします。オンで狙いたい時にはSM57を使い、一歩距離感を取って膨らみのあるサウンドが欲しい時にはSM58を選択してます。低音用のBETA 52Aも好きで、ドラムのキックのホールに入れて使ったりしてますね。

広津氏が最近使い始めたと言う、新製品のKSM9HSを試してみていかがでしたでしょうか?またKSM9と比べた使い心地は?

KSM9HSはKSM9よりもカブリに強くて、私がライブP.Aで欲しかった性能のコンデンサーマイクです。最近のバンドの演奏スタイルは、楽曲のアレンジが様々で、ポップスあり、ロックあり、ジャズありの中で、ボーカルのニュアンスをより明確に伝えられるコンデンサーマイクの需要が増えてるように思います。そんな時にKSM9HSは、ドラム入りのバンド演奏からアコースティック系に移行するケースでも対応でき、どちらも抜けとニュアンスの高いボーカルが得られます。ある程度はドラムにアクリル板などを立てなくても、ステージの楽器の配置で対応できるマイクだと思います。

音質はKSM9同様の暖かみのあるサウンドで、更にミッドレンジのきめが詰まっていて、高域の伸びが少し抑えられた印象ですね。指向性は狭いですが、口元を左右に揺らしても不自然な音の立ち上がりがないのでとても使いやすいです。最近のライブでは、ボーカリストとチェックしてKSM9HSとKSM9で良い方を本番で使ってます。KSM9HSは今まで私が求めていた方向性のコンデンサーマイクなので、これからもどんどん使っていこうと思ってます。あとKSM9と同じくウィンドスクリーンを外すと指向性が2パターン選べるので、ボーカル以外の楽器にも試してみたいですね。

PAをされる際、マイキングで一番気をつけることや、スッキリ聴かせるコツなどありますか?

バンドの方向性を掴んだり、楽器の生音をよく聴いてマイクアレンジを考えてますね。弱音楽器を録る場合にカブリが多くなるので、指向性の狭いマイクを選んだり、大きく鳴ってる場所にオンでマイクを立ててます。出来るだけマイクの本数を減らすのも大事ですね。例えば、多くの楽器をセットするパーカッションには、ミキサーの回線が取れる場合や、オンマイクでないと音がバンドに埋もれてしまう様な時は、楽器ごとにマイクを立てますが、1〜2本で全てのパーカッションをカバーする事もあります。 ステージ上で鳴ってる音に素直に反応して行く事、聞かせたい音楽をイメージする事、トラブルは速やかに対応する事、ですね。

Shure以外で使うマイクやワイヤレスマイクについて教えてください。

ギターアンプには、エレクトロボイスとブルーが以前出していたコンデンサーマイクの“Cardinal”を使ってます。キックにはオーディオテクニカのATM25を使ったり、ゼンハイザー のMD 431をボーカルマイクとしても使ってますね。あとは楽器に合わせてSM57とゼンハイザーのMD 421のミックスも好きでよく使います。ワイヤレスマイクは使う場合は、SM58のカプセルが乗ったダイナミックのタイプや、BETA 57Aのカプセルに乗せ変えたモノを使用する事が多いです。

広津さんの中でShureが定番になっている理由は?

定番の理由は、専門学校を経て業界に入ったときからずーっと手元にあり、音や使い方を熟知してるからだと思います。そして現在、私がShureを選択する大きな理由は、様々なライブ環境や、そこで演奏するボーカルや楽器、どの様なP.Aシステムでも「欲しい音がちゃんと出せる」というところですね。

Shureマイクの良さを挙げると、癖が少ない、価格が安い、耐久性がある、過酷な環境でも壊れにくいなど、統べて兼ね備えたトータルバランスが良いマイクという感じですね。 これからもShureマイクの新製品や、P.A環境で使える便利なグッズにも期待しています。

広津氏:ボーカル用でよく使うのがコンデンサータイプのKSM9(左)とダイナミックタイプのBEAT 57A(右)です。KSM9は、暖かい音色で高域の抜けが綺麗なマイクで、持った感じも良く、女性ボーカルによく使うベストなマイクですね。一方のBETA 57Aは、オールマイティーで使ってます。58よりもダイレクト感が強くて、確実に声をピックアップしてくれる私の定番マイクです。どちらも平なウィンドスクリーン形状で大変気に入っています。

広津氏:コンデンサータイプのKSM9とKSM9HSは、どちらもネジ式のウィンドスクリーンを外すと、カプセルの下に指向性切り換えスイッチがあって、シーンに合わせて指向性の広さを調整する事ができるので、ボーカル以外でも様々な楽器で試してみたいですね。KSM9HSの方がさらに鋭い指向性なので、バンド演奏でもカブリを抑えることができ、ハウリングにも強い印象です。あと、どちらもボーカルでハンドリングノイズに悩んだ事はないです。

広津氏:BEAT 57Aのダイレクトなサウンドが大好きで、ボーカルやバンドのタイプに合わせてウィンドスクリーンを58の球形状のモノに付け替えて使う場合もあります。音質は、空気感が混ざり奥行き感が出てくるイメージで、BEAT 57Aのダイレクト感を少し抑えたい場合にやる、ユニークなマイクアレンジの一つです。BETA 58Aでは得られないサウンドになるんです。

 

2012年12月

BANBI-NO 広津千晶(ひろつ ちあき)

91年4月大阪電子専門学校卒業後、京都のPA会社T&HYに入社
99年東京勤務
02年2月フリーのエンジニアとして活動

主な参加仕事
お芝居
劇団新感線92~97年 ミュージカル劇団音楽座93~00年
ロックミュージカル HEDWIG AND THE ANGRY INCH 04~05年

LIVE
現在担当しているのは、明和電機、TOMOVSKY、Demi Semi Quaver、キセル、
つじあやの、ROVOモニター、安藤裕子、のあのわ、坂田学Solo、など

SM58

ライブパフォーマンス、音空間の創造、スタジオレコーディングでのボーカル収音のために生まれた、プロ仕様のカーディオイド・ ダイナミック・マイクロホンです。

SM57

卓越した性能、数々の伝説を生み出した信頼性、高い汎用性を併せ持つSM57は、世界中のプレイヤー、プロデューサ、エンジニアが認める「最高傑作」としての地位を確立しています。

BETA ® 57A

BETA 57Aは繊細なアコースティック楽器の音を再現するために設計された高精度なダイナミックマイクロホンです。

BETA ® 52A

低音楽器用に最適な周波数特性を備え、音圧の高い楽器の力強いサウンドをクリアーに収音するBETA52Aは他の音源からの影響を受けにくいスーパーカーディオイドデザインです。

KSM9

レコーディング用マイクロホンで培った高い音響性能が、ステージを鮮やかに演出する。ボーカル・マイクロホンの最高峰。

KSM9HS

選択可能な指向特性パターン(ハイパーカーディオイドおよびサブカーディオイド)を持つ、ボーカルパフォーマンス用プレミアム・デュアルダイヤフラム・コンデンサーマイクロホン。