SE215 について語る – オーディオ・ビジュアル評論家鴻池賢三氏

ケーブルは着脱可能で、iPhoneの通話にも便利なマイク付きケーブル「CBL-M+」も利用できます。iPhone4との組み合わせなら、音量のコントロールや曲の停止、スキップなどの基本操作も可能と、快適さも気に入っています。

最初にSE215の情報を得たとき、SE215が敢えてダイナミックドライバを採用したのか理解できませんでした。筆者の中では「高音質=バランスドアーマチュア」といったイメージが定着しつつあったからです。

ところが、試聴してみると良い方向に裏切られました。より一段低く伸びる低域には、空間の広がりや遠近感なども豊かに表現され、バランスドアーマチュアドライバとは違った「懐の深さ」が感じられるのです。ヴォーカルの肉厚さを引き出しているのも聴き所です。

また、中高域の伸びや透明感、解像度感、音離れの良さも秀逸で、上位のバランスドアーマチュアドライバ採用モデルに引けを取りません。ダイナミックドライバのイメージを覆す音質を実現したのは、SHUREが独自に新開発した「ダイナミック型MicroDriver」の採用による所が大きいでしょう。

SE215は、モデル名でも採用ドライバ種でも下位に位置付けられますが、音のスケール感、ダイナミックレンジの広さは、SE215ならではの魅力があります。既に上位のバランスドアーマチュアドライバモデルを愛用しているユーザーなら、音楽を二通りに楽しめる事でしょう。同じ曲を聴いても新たな一面が発見できたりと、手持ちの曲を全て聴き直したくなった程です。 試聴を通して、SE215には、バランスドアーマチュアでなく、ダイナミックドライバである必要があったのだと気が付きました。

手頃な価格もポイントで、「音の善し悪しなんて分からない・・・」という入門者にもお勧めできます。つきつめると「良い音」とは「自然な音」であり、長時間聴いても疲れず、大きな音量で聴いても眠れてしまう程に心地良いものです。SE215にはその「音の良さ」がありますので、難しく考えずに、そういった切り口で試聴してみてください。

鴻池賢三(こうのいけけんぞう)

オーディオ・ビジュアル評論家
AV専門誌で製品の評価や評論、音響や映像の調整方法について解説や執筆活動を行う。日本で唯一のTHX/ISF認定ホームシアターデザイナーでもあり、オーディオ・ビジュアル関連企業のコンサルティングを手がけるDAC JAPAN代表。(http://www.dac-japan.com/

SE215

ダイナミック型MicroDriver搭載で、温かみのあるディテールサウンドを再現するShureイヤホンのエントリーモデルです。