SE215 について語る - オーディオ・ビジュアル系ライター 高橋敦氏

 

 初めて使ったカナル型イヤホンにして初めて購入したSHURE製品がE2Cだった僕にとって、SHUREのダイナミック型ドライバー搭載イヤーモニターは少し特別な存在です。その血脈が途切れることなく、最新のSE215が登場したことを、まずは単純にうれしく思います。

 さてそのSE215です。SHUREのノウハウが注ぎ込まれてはいるのであろう、しかしオーソドックスなものに見えるダイナミック型ユニットの、そのオーソドックスさを存分に引き出している。そのような印象を持ちました。例えばスネアドラムの「バシッ!」というアタック。「バ」の濁音の気持ちよさや、「バ」と「シ」間のスピード感は、僕が上質なダイナミック型に期待する、まさにそれです。女性ボーカルもつるっとした手触りにはせず、少しのざらつきを感じさせます。それも僕にとっては好ましい感触です。

 そして、エレクトリック・ギターとの相性の良さ。クリーンな音色からファズで乱雑に歪ませた音色まで、粒立ちがよく、立体感があります。エレクトリック・ギターの録音にはSHURE SM57を筆頭にダイナミック型のマイクが使われることが多いと聞きますが、それとの整合性もあるのだろうかと、素人考えを巡らせたりもします。とにかくよく合います。

 音の面以外では、その強烈な遮音性には、新しいモデルを試させていただくたびに改めて驚かされます。電車内などでの快適度は、アクティブ・ノイズキャンセル搭載イヤホンなどにも劣りはしません。その遮音性の高さ故に、ランニングや自転車での利用はぜひ避けていただきたいとも思わされるのですが…

 さておきSE215は、SHUREイヤーモニターのラインナップの中ではエントリークラスの位置付けですが、SHUREのダイナミック型ドライバー搭載機の最新モデルという立場でもあります。初めてのプチ高級イヤホンとしてはもちろん、玄人好みのダイナミック型イヤーモニターとしても、注目に値するモデルです。

高橋敦(たかはしあつし)

オーディオ・ビジュアル系ライター
PC(特にMac)関連の記事からライターとしての活動を始め、その経験を生かしつつも、現在はオーディオ・ビジュアル製品の紹介に軸足を置く。

SE215

ダイナミック型MicroDriver搭載で、温かみのあるディテールサウンドを再現するShureイヤホンのエントリーモデルです。